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【旧作】2007年、ガラケーの内蔵カメラで撮影!アピチャッポン・ウィーラセタクン「ティム(TEEM)」


TEEM Nov 20, 2007



タイの映画監督・美術家、アピチャッポン・ウィーラセタクン。

2007年に携帯電話機(ガラケー)の動画機能で3日間に渡り、寝起きの彼氏を撮影したビデオ作品シリーズが、「ティム(TEEM)」だ。


作品の発表形態は、シネマとアートの2つ。

「ティム」を3部作として、スクリーンで上映することもある。《ティム》を3面マルチ映像として、インスタレーション展示することもある。


TEEM Nov 21, 2007



ビデオ3部作「ティム(TEEM)」

TEEM(ティム)とは、男性のニックネーム。タイ人は、たいていニックネームを持っている。2007年当時、アピチャッポンの彼氏がティムと呼ばれていた。


そんなティムが眠りから覚める瞬間を3日間に渡り撮影したのが、このビデオ作品「ティム(TEEM)」3部作になる。


2007年11月20日、21日、22日。それぞれの朝、場所はタイの作家宅。携帯電話機(ガラケー)の動画機能を使って撮影した。動画は編集せず、そのままビデオ作品としている。


ガラケーで撮影したのには、理由がある。


第1回ケータイ映画祭「ポケットフィルム・フェスティバル」からの委嘱作品だったのだ。そのフェスティバルでインスタレーション展示するビデオ作品の制作を頼まれた。ビデオ撮影のために、Vodafone(2007年からソフトバンクに名称変更)の携帯電話、SHシリーズが提供されたのだった。


「ポケットフィルム・フェスティバル」とは、携帯動画の祭典だ。携帯電話で撮影したり、携帯電話の画面で見るビデオ作品を一堂に集め展示・上映するイベント。


仏・パリのフォーラム・デ・イマージュで先行開催され、藤幡正樹教授が率いる東京藝術大学横浜キャンパスの映像学科が日本独自に進化させて、横浜でも行われた。


横浜での「ポケットフィルム・フェスティバル」開催にあたり、タイの映画監督・美術家、アピチャッポン・ウィーラセタクンに新作が依頼された。


当時、トモ・スズキ・ジャパン(TSJ)の鈴木朋幸は、アピチャッポンと一緒に構想を練った。「小さな撮影ディバイスだから、親密な被写体に接近して撮ろう!」と、話した。


「ポケットフィルム・フェスティバル」での初出後、東京・谷中の銭湯を改築した現代美術ギャラリー、スカイ・ザ・バスハウスでも《ティム(TEEM)》3部作は展示されている。そして、広島市現代美術館が同作を収蔵した。


TEEM Nov 22, 2007

 

作品タイトル:ティム

完成年   :2007年

製作国   :タイ、日本

フォーマット: 3画面ビデオ(上映、インスタレーション)/NTSC/カラー

アスペクト比:4:3 (縦位置)

音声    :サイレント

時間    :ティム 11月20日:9分53秒、ティム 11月21日:22分38秒 、ティム 11月22日:27分31秒


監督・撮影・編集:アピチャッポン・ウィーラセタクン

出演      :ティム(アーティスト名:チャイ・シリ)

製作      :トモ・スズキ(鈴木朋幸)


撮影機器    :Vodaphone mobile

協力      :東京藝術大学横浜キャンパス映像学科

「第1回ポケットフィルム・フェスティバル」委嘱作品


エディション数 :ed.10

取扱店(画廊) :SCAI THE BATHHOUSE

 

TEEM

Thailand / Japan 2007

3 screen installation, various lengths, loops / Digital (filmed on mobile phone), NTSC 4:3 Vertical, Silent / Colour


Director / Camera / Editor: Apichatpong Weerasethakul

Cast: Chaisiri Jiwarangsan

Producer: Tomo Suzuki


Commissioned by and first presented at the Pocket Film Festival, Tokyo National University of Fine Arts and Music, 7–9 December 2007


Medium: Vodaphone mobile

TEEM Nov 20, 9:53 minutes

TEEM Nov 21, 22:38 minutes

TEEM Nov 22, 27:31 minutes 【参考】作家の公式サイト:

Kick the Machine Films. (2007). TEEM:

広島市現代美術館での展示(2020年 担当学芸員の撮影)

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