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【転載】3 EYES FILMSプレスリリース「アジア・国内プレミア上映 ! 遠藤麻衣子監督短編映画作品『自在 』(英題:JIZAI)初日トークイベント レポート」

登壇者:遠藤麻衣子監督、樋口泰人さん(映画評論家・爆音映画祭ディレクター)

撮影:NOJYO


「人機一体」の研究用実機を使って描く、未来の身体の“感覚”

遠藤麻衣子監督の新作短編『自在』を含む特集上映「人機の情動/MAN MACHINE EMOTION」が、2024年8月3日(土)に初日を迎えた。


東京大学教授・稲見昌彦率いる100人の研究者集団「稲見自在化身体プロジェクト」の研究者たちとのコラボレーションによる映画『自在』。物理空間とバーチャル空間の双方で、人が自己主体感を保ったままロボットやAIと一体になるという。そんな“身体拡張”の可能性を探る研究プロジェクトは5年間行われ、人々の未来を変える可能性を秘めた萌芽的な研究成果が多数生み出された。プロジェクトの最終年に、「ふだん科学に関心のない人たちにも、こうした研究に目を向けてほしい」との意図のもと作品のオファーを受けた遠藤監督が、若手研究者たちと対話を重ねながら創り上げたのが本作『自在』である。


ロボットと一体化した少年は、能力の限界を広げるために新たな体の一部を作っている。彼は三つ目のメガネやロボットを通じ、同時に他のふたりの子供と、現実世界の時空を超えて身体の体験や感覚の交感を重ねるというストーリーだ。

 

初日には映画評論家・爆音映画祭ディレクターの樋口泰人さんをゲストに招き、遠藤監督とのトークが繰り広げられた。


遠藤監督は「研究成果を人々に届けるという意味では、普通にドキュメンタリーを作る選択肢もあったと思うが、せっかく自分にこういう話がきたんだから、いつも通りの自分のやり方で作品を撮りたいと考えた。実際の機材を使いつつ、自分の想像の世界も入れた作品になった。私はわかりやすい説明をしないのでいわゆる科学映像には向いていない人間だけれど、稲見昌彦先生は制作中に口出しをせず、100%のクリエイティブの自由をくれました」と制作過程を振り返った。


劇中に登場する実機の多くは、研究での使用を目的に、研究者たちが独自にデザインして生み出したもの。ただ主人公の一人である少年が装着している「三つ目のメガネ」は、この映画のためにデザイナーで東京大学特別教授の山中俊治先生が考案した。山中先生は科学者と共同でロボットビークルやアスリート用義足など先進的なデザインのプロトタイプを開発してきたデザインエンジニアであり、三つ目メガネのデザインでは想像上の機能性も話し合ったという。現在、そのメガネなど、映画内で紹介した実機の一部が21_21 DESIGN SIGHTの企画展「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」に展示されている。


樋口さんは機械によって身体機能を拡張していく子どもたちの姿を見て、「身体は訓練や習慣によっていくらでも変わることができるという、妙な希望のようなものを受け取った」と言いつつ、一方で「俺自身は不自由な身体への愛おしさも感じている。この作品には最新のテクノロジーでもうまくいかない人間の身体の不自由さ、身動きのとれなさへのアプローチも描かれていて、そのもどかしい感じが永遠に続くだろうという時間の果てしなさも感じて、それが面白いと思った」と感想を述べた。これを受け遠藤監督は、「自在化身体プロジェクトは身体の話。研究がもたらすその身体の“感覚”を伝えられる映画を作りたいと思っていた」と語った。


【開催(終了)】

日時:2024年8月3日(土)21:00の回上映後

登壇者:遠藤麻衣子(監督)、樋口泰人(映画評論家・爆音映画祭ディレクター)


 

自在

ロボットと一体化した少年は、能力の限界を広げるために新たな体の一部を作っている。

彼は三つ目のメガネやロボットを通じ、同時に他のふたりの子供と、現実世界の時空を超えて交感を重ねる。重奏的なその体験の先で…。

 

出演:遠藤陽太郎、シュミット真綾、早川天麻 ほか|監修:稲見昌彦|制作・監督・脚本・編集:遠藤麻衣子|エグゼクティブ・プロデューサー:鈴木朋幸|サイエンスアウトリーチ企画・共同制作:楠見春美、中川純希|共同制作・撮影監督:野田直樹|セットデザイン:三ツ泉貴幸|照明:前島祐樹|録音:島津未来介|サウンドデザイナー:ニコラス・ベッカー|リレコーディング・ミキサー:浅梨なおこ|音楽、音響効果:服部峻|特別協力: 山中俊治|撮影協力・実機操縦:堀江新、村田凌、前川和純、山村菜穂子、村松充、神山友輔、阪本真、大伏仙泰、矢崎武瑠、井上康之、アモウリ・デュショウ、上田大智、高原唯、安田玲、赤松和昌、ユン・ソクジュン|取材協力:岩田浩康、北崎充晃、ゴウリシャンカー・ガネッシュ、宮脇陽一、杉本麻樹、石黒周、瓜生大輔、中川純希、東京大学、早稲田大学、豊橋技術科学大学、フランス国立科学研究センター(CNRS)、電気通信大学、慶應義塾大学 ほか製作:JST ERATO稲見自在化プロジェクト、トモ・スズキ・ジャパン|制作:3 EYES FILMS、A FOOL|協力:JIZAIE、Art&Science Communication Lab


2024年/日本/14分/DCP/白黒・カラー/1.33:1/5.1ch

 

特別企画「人機の情動/MAN MACHINE EMOTION」併映作品

ハックト・サーキット(原題:HACKED CIRCUIT)』 

2014年/15分/アメリカ/DCP/カラー/16:9/ステレオ


監督:デボラ・ストラットマン


フランシス・フォード・コッポラ監督、ジーン・ハックマン主演による映画『カンバセーション…盗聴…』(1974)の編集で、スタッフが映像に音を加えている。それを記録した短編で、映画制作のメカニズムを伝えると同時に、リアルとは何かを問いかけ、監視社会への問題をも提起。

 

アーティフィシャル・ユーモア(原題:OS HUMORES  ARTIFICIAIS)』

2016年/29分/ポルトガル・ブラジル・スペイン/DCP/カラー/2.39:1/5.1ch


監督:ガブリエル・アブランテス


ブラジル先住民族の少女が恋する相手はキュートなAIロボット。やがて、都会でロボットはスタンダップコメディの人気者になってゆく。恋の行方は?ドキュメンタリー的アプローチから、マット・グロッソ州のヤワラピティ族やカマユラ族の村でも撮影された短編フィクション。

 

ネプチューン・フロスト(原題:NEPTUNE FROST)』

2021年/105分/ルワンダ・アメリカ/DCP/カラー/1.66:1/5.1ch


監督:ソウル・ウィリアムズ、アニシア・ユゼイマン 音楽:ソウル・ウィリアムズ


アフリカ・ブルンジ共和国の電子廃棄物キャンプでは、独裁者が奴隷労働を強いていた。宇宙の力を通じて脱出したインターセックスの主人公が、鉱山労働者や反独裁ハッカー集団とともに特殊な回路を。共同監督のS・ウィリアムズが作曲も手がけたアフロフューチャリスティックなSFパンク・ミュージカル。

 

スケジュール

8月3日(土)~16(金) シアター・イメージフォーラムにて2週間限定上映!


 

SNSでの簡単な投稿、『自在』公式X投稿の引用も大歓迎です!ぜひご紹介いただけると幸いです。

•  『自在』公式X   https://x.com/movie_jizai

•  『自在』公式インスタグラム   https://www.instagram.com/jizai_movie/

•  「未来のかけら」展  (2024年9月8日まで21_21 DESIGN SIGHTにて開催中)

*『自在』の関連作品や映画に登場する実機が展示されています。        https://www.2121designsight.jp/program/future_elements/

•   JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクト   https://www.jst.go.jp/erato/inami/

 

 

【配給・お問い合わせ】 3 EYES FILMS 

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